Heal House 白斑研究 21 · 原著

白斑があっても妊娠や出産に問題はありませんか?

Pregnancy outcomes in patients with vitiligo: A nationwide population-based cohort study from Korea

ひと言で

白斑のある妊婦は自然流産がやや多く、正常出産がやや少なかったです。ただし、大きく心配するほどの差ではありませんでした。

若い女性の患者さんから、慎重に、しかしよく伺う質問があります。「白斑があるのですが、妊娠しても大丈夫でしょうか?」白斑は全世界の人口の約1%が罹患する自己免疫性皮膚疾患です。ところが、妊娠転帰を大規模に調べた研究はこれまでほとんどありませんでした。そこで私は責任著者として研究を主導し、国民健康保険データを用いて、白斑のある妊婦さんとない妊婦さんを比較しました。

Q1 どのように比較し、結果はどうでしたか?

白斑のある妊婦さんは、正期産がやや少なく、自然流産がやや多いという結果でした。国民健康保険データ(2007~2016年)から、白斑のある妊娠4,738件と、年齢をマッチさせた白斑のない妊娠47,380件を比較しました。正期産は約13%少なく、自然流産は約25%多い結果でした。下の表の数値は、白斑のない方を1として比較した値です。1より大きいと発生しやすく、1より小さいと発生しにくいことを示します。

白斑妊婦の妊娠転帰(白斑のない対照群との比較)

妊娠転帰オッズ比(OR)わかりやすく言うと
正期産0.87約13%低い
自然流産1.25約25%高い

Q2 なぜこのような差が生じ、妊娠を心配すべきなのでしょうか?

過度に心配する必要はありません。ただし、事前に知って準備しておくと役立ちます。研究チームは、白斑の背景にある全身の自己免疫傾向がこのような差に関連している可能性を考えました。しかし、このデータだけでは原因を特定することは困難です。何よりも差が大きく開いたわけではなく、白斑があるから妊娠が危険だという意味では決してありません。ただ、自然流産がやや多いという結果が出ているため、妊娠を計画されているのであれば、産科の診療をきちんと受け、体調管理をしっかりされることをお勧めします。このような傾向をあらかじめ知っておくこと自体が、安心して妊娠を準備する第一歩となります。

まとめ

白斑患者さんの妊娠を大規模なデータで初めて調べた研究です。おかげで「妊娠しても大丈夫でしょうか?」という質問に、漠然とした安心ではなく、根拠をもってお答えできるようになりました。リスクが非常に大きいわけではないものの、自然流産がやや多いという結果でしたので、怖がるよりも少し丁寧にケアしていただければ結構です。不安を和らげることと、必要な注意をお伝えすること、その両方をこのデータが可能にしてくれました。

Reference

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