Heal House 白斑症研究 11 ・ 原著

白斑症は患者さんの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?

Factors affecting quality of life in patients with vitiligo: a nationwide study.

ひと言で

白斑は、人目に触れる部位にある場合や、広がった面積が大きいほど、生活の質をより大きく低下させることがわかりました。全国21の病院の患者1,123名を調査して確認した結果です。

「痛くないから大丈夫だろうと言われますが、私は人に会うのが一番つらいです」白斑症はかゆみや痛みを伴う病気ではありません。そのため、軽く見られがちです。しかし患者さんの心の負担は、外からはなかなか見えません。どのような状況でよりつらくなるのかについては、研究ごとに結果が分かれていました。そこで全国21の病院が協力し、患者さん1,123名の声を一か所に集めてみました。

Q1 QOLはどのように調査したのでしょうか?

全国21の病院で白斑症の患者1,123名を集めました。皮膚疾患のQOLを測る標準的な質問票(Skindex-29)で調査しました。この質問票は、症状、日常生活機能、感情の3つの領域に分けて、QOLがどの程度低下しているかを点数で示します。参加された方は男性609名、女性514名でした。平均年齢は49.8歳、罹病期間は中央値3年でした。さまざまな地域と年齢の患者さんをまとめて調べたことで、特定の病院に偏らない全国規模の全体像を描くことができました。

研究の概要

項目内容
対象全国21の病院の白斑症患者1,123名
期間2015年7月~2016年6月
方法皮膚疾患QOL質問票(Skindex-29)
平均年齢49.8歳(20~84歳)
罹病期間中央値3年

Q2 どのような人がQOLをより大きく損なったのでしょうか?

大きく2つの要因がありました。人目に触れやすい部位に病変がある場合と、広がった面積が広い場合です。この2つは、症状・機能・感情の3領域すべてに共通してQOLを低下させました。さらに、社会的活動が活発な20~59歳では、日常生活機能がより大きく揺らぎました。学歴が高い方ほど、感情的な負担をより大きく感じていました。病変がどれだけ広いかだけでなく、「どこにあるか」「どのような生活を送っているか」が苦痛の大きさを左右するということです。

QOLを低下させた主な要因

要因特に影響した領域
人目に触れる部位の病変症状・機能・感情すべて
広い病変面積症状・機能・感情すべて
20~59歳日常生活機能
高い学歴感情的な負担

Q3 この結果は診療にどのように役立つのでしょうか?

患者さんがどれほどつらいかを、病変の広さだけで推し量ってはいけないということを教えてくれます。同じ大きさでも、顔や手のように目に触れる場所にあれば、はるかにつらいことがあります。社会的活動が盛んな年齢であれば、その重みはさらに大きくなります。そのため私は、病変の広さと位置だけでなく、その方の年齢や生活についてもお尋ねしながら、治療の優先順位を決めています。白い斑点を消すことと同じくらい、その方が何によって最もつらいのかを知ることが大切だからです。

まとめ

白斑症を「痛くないから我慢すればよい病気」と軽く受け流さないための根拠ができました。全国規模でQOLに影響する要因を明らかにしたことで、どの方に心の支えがより必要かをあらかじめ見通せるようになりました。外から見えない心の負担に一緒に目を向けること、それがよい治療の始まりだと信じています。

Reference

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