Heal House 白斑症研究 08 · 原著

白斑症があると他の自己免疫疾患も発症しやすいのでしょうか?

Increased risk of comorbid rheumatic disorders in vitiligo patients: A nationwide population-based study.

ひと言で

白斑があると、ループス、全身性強皮症、シェーグレン症候群、関節リウマチを併発するリスクが高いことがわかりました。

白斑症が自己免疫疾患であることはよく知られています。しかし、その「自己免疫の傾向」が甲状腺を超えて、関節や全身に及ぶ病気にまでつながるかどうかは、これまで大きく取り上げられたことがありませんでした。私はこの大きな全体像に常に関心を持っていました。そこで今回は責任著者として、研究チームとともに国民健康保険の資料を掘り下げました。白斑症患者約8万人の記録を対照群と並べて、複数のリウマチ疾患の影が実際により濃いのかを確認しました。

Q1 どのように分析したのでしょうか?

国民健康保険の資料から白斑症患者86,210人を抽出しました。そして年齢と性別を一致させた、白斑症のない172,420人も合わせて抽出しました。二つの集団で複数のリウマチ疾患がどれくらい合併しているかを比較しました。全国民単位の膨大な資料を使えば、比較的まれな疾患でも差を捉えることができます。私は責任著者として研究デザインと結果の解釈を統括し、実際の資料分析は研究チームがともに行いました。個人の診療記録を一つ一つ見ることは難しかったものの、大きな流れは明確でした。

研究の概要

項目内容
対象白斑症 86,210人 + 対照群 172,420人
資料国民健康保険請求資料(2009~2013年)
方法複数のリウマチ疾患の合併の有無を比較

Q2 どのような病気がより多く合併していたのでしょうか?

四つが白斑症患者で明らかに多くみられました。全身性エリテマトーデス、全身性強皮症(皮膚が硬くなる病気)、シェーグレン症候群、関節リウマチです。一方、皮膚筋炎/多発性筋炎、ベーチェット病、強直性脊椎炎は全体としてみると明らかな関連はありませんでした。白斑症と手を組む病気は別にあるという意味です。これらはおおむね免疫が全身を広く攻撃する病気という共通点があります。下の表に、どの病気が関連し、どの病気はそうでなかったかをまとめました。

白斑症とリウマチ疾患の関連性

疾患白斑症との関連
全身性エリテマトーデス関連あり(リスク増加)
全身性強皮症関連あり(リスク増加)
シェーグレン症候群関連あり(リスク増加)
関節リウマチ関連あり(リスク増加)
皮膚筋炎/多発性筋炎全体としては明らかな関連なし
ベーチェット病関連なし
強直性脊椎炎全体としては明らかな関連なし

Q3 年齢や性別による違いはあったのでしょうか?

はい、ありました。男性の白斑症患者では皮膚筋炎/多発性筋炎が、女性では強直性脊椎炎がより多く合併する傾向がありました。どちらの疾患も若い白斑症患者でリスクがより高くなりました。すべての方に同じ基準を当てはめるのではなく、年齢と性別に合わせてみていく必要があるという意味です。ですから、関節痛、口や目が乾く症状、原因不明の疲労といったサインがあれば、そのままにせずにご相談いただくことをお勧めします。よくあることではありませんが、早く気づけばその分対処しやすくなります。

まとめ

この研究のおかげで、白斑症を皮膚だけにとどまる問題ではなく、全身の免疫をのぞく一つの窓として捉える根拠が生まれました。私も白斑症の患者さんにお会いするとき、関節や全身の症状まで一度お尋ねするようになりました。ただし「リスクが高い」が「必ず発症する」という意味ではありません。過度に心配するよりも、必要なときに確認するバランスが大切です。

Reference

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