Heal House 白斑症研究 43 · レビュー

白斑症の外科的治療の効果はどの程度でしょうか?これまでのすべてのデータを集めました。

Surgical Interventions for Patients With Vitiligo: A Systematic Review and Meta-analysis.

ひと言で

これまで世界で発表された白斑症の手術研究117編、患者8,776名分の資料を一つも漏らさずすべて集めました。光線治療で改善しない安定型白斑症において、手術後に半分以上色が戻った症例は81%に達しました。

「塗り薬も光線療法もすべて試したのに、ここだけはどうしても戻ってきません」。長く白斑症を患っている患者さんからよく聞く言葉です。光線療法で改善しない部位には、色素細胞を直接移植する手術が最後の選択肢となり得ます。しかし、どの手術がどの程度効果的なのかを一か所にまとめた資料はありませんでした。そこで、私が共同研究者として参加したこの国際研究では、これまで世界で発表された白斑症の手術研究を漏れなく探し集めました。研究117編、患者8,776名分です。散在していたデータを余すところなく一か所に集め、方法別の成績を比較したものです。

Q1 どのような場合に白斑症の手術を検討するのでしょうか?

光線療法でこれ以上改善せず、病変がそれ以上広がらずに止まっている状態のときが対象です。白斑症の手術は、色素細胞が生きている正常な皮膚を少し採取し、色が抜けた部位に移植する方法です。そのため、現在も病変が広がり続ける「活動期」には適しません。少なくとも数か月以上変化が止まっている「安定型」で最も良い結果が期待できます。私たちが集めた117編・8,776名の資料でも、治りにくい安定型白斑症に手術が実質的な選択肢となり得ることが確認されました。

Q2 手術方法によって効果はどの程度異なるのでしょうか?

方法によって成績に差がありました。ただし全体で見ると、手術後に半分以上色が戻ったケースが81%に達するほど効果は良好でした。90%以上ほぼ完全に戻った割合だけを別に見ると、薄い皮膚移植が約72%で最も高く、吸引水疱移植と表皮細胞移植がそれに続きました。下の表の数字は「90%以上色が戻った患者の割合」ですので、高いほど成績が良いとお読みください。ただしこの数字は方法の優劣を決める順位表ではありません。病変の位置や大きさに合った方法を選ぶ際の参考とお考えください。

手術方法別の90%以上の再色素沈着がみられた割合

手術方法90%以上の再色素沈着の割合わかりやすく言うと
薄い皮膚移植72.1%約10人中7人
吸引水疱移植61.7%約10人中6人
培養表皮細胞移植56.8%約10人中6人
非培養表皮細胞浮遊液47.5%約10人中5人
パンチ移植45.8%約10人中5人
非培養毛包細胞浮遊液36.2%約10人中4人

Q3 手術結果に影響する要因は何だったのでしょうか?

患者の年齢、白斑症の種類、そして病変のある部位が結果を分けました。おおむね年齢が若いほど反応が良く、部位によっても差がありました。そのため手術は「とにかく受ければよい」というものではありません。こうした条件に加え費用も考慮して、適切な方法を選ぶ必要があります。この研究が示すメッセージは明確です。治りにくい白斑症であっても諦めるには早く、患者一人ひとりに合った手術を選ぶことが重要だということです。

まとめ

これまでに出た資料をすべて集めて整理したおかげで、長い治療にもまったく動かなかった部位について「今は手術という方法もあります」と根拠をもってお伝えできるようになりました。散在していた手術成績を方法別に一つにまとめてありますので、患者さんと一緒に治療を決める際の心強い地図になります。もちろん手術は安定型で最も力を発揮します。今の自分の白斑症が手術に適した状態かどうかから、一緒に確認することが先です。

Reference

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