Heal House 白斑研究 64 · 原著
白斑の範囲を、人間ではなくコンピューターが正確に測定できるのでしょうか?
Reliability and agreement testing of a new automated measurement method to determine facial vitiligo extent using standardized ultraviolet images and a dedicated algorithm
最終監修
ひと言で
顔の白斑症の面積を、人の目ではなくコンピュータープログラム(Vitil-IA)で自動測定する方法を検証しました。同じ写真を再度測っても誤差は3%未満と非常に一貫していました。
白斑の治療が効果を上げているかどうかを判断するには、「色素がどの程度戻ったか」を測定する必要があります。しかし、この測定は想像以上に主観的です。現在広く使われている顔面白斑面積スコアは、結局のところ人間が目で評価するものです。そのため、評価者によって結果が異なることがありました。特に病変がまだらな場合には、専門家の間でも判定が分かれました。そこで、人間の目ではなくコンピューターが一貫して測定できるよう、標準紫外線写真を解析する専用プログラムを作成し、検証を行いました。
Q1 なぜこのような自動測定法が必要なのでしょうか?
これまで、顔面白斑の範囲を測るスコアは評価者の主観が混ざり、人によって結果が異なるという限界がありました。白斑の治療効果を判断する際には、「色素がどの程度戻ったか」が最も重要な基準です。しかし、その判定がばらつくと研究の信頼性が揺らぎます。そこで当院では、標準化された紫外線写真を解析し、色素が抜けた割合を自動計算する「Vitil-IA」というプログラムを作成しました。人間の目ではなく一貫した基準で測定すれば、誰が評価しても同じ結果が得られると期待しました。
Q2 実際にどの程度正確だったのでしょうか?
同じ写真を再度測定しても誤差は3%未満と非常に安定しており、専門家の判定ともよく一致しました。白斑専門家グループが付けたスコアと比較しても、差はほとんどありませんでした。一方、人間が付けるスコアは、病変がまだらな場合に評価者間で結果が大きく食い違いました。下の表の「一致度」は、1に近いほど評価者間の結果がよく一致していることを示します。人間の判定は評価者によってばらつきが大きかったのに対し、プログラムはそのようなぶれがなく一貫した値を示しました。経験の浅い医師が測定しても、信頼できる結果が得られることを意味します。
測定方法別の精度・一致度
| 項目 | 数値 | わかりやすく言うと |
|---|---|---|
| プログラムの繰り返し測定誤差 | 3%未満 | 非常に安定 |
| プログラムと専門家の平均差 | 5.57 | 専門家の判定とほぼ一致 |
| 人間が付けたスコアの一致度(専門家) | ICC 0.52 | 人間同士では中程度の一致のみ |
| まだらな病変での一致度(非専門家) | ICC 0.19 | 人間の判定のばらつきが非常に大きい |
まとめ
人間の目に頼っていた白斑の評価を、より客観的で一貫したものに変えられる可能性を示した研究です。評価がぶれなければ、治療効果も正確に判断できます。そのため、このようなツールは研究と診療の両方に大きな力となります。特に、経験の浅い医師でも信頼できる結果が得られる点は心強いものです。