フィラー・ボリューム HAフィラーSculptra

コラーゲン注射とフィラーは何が違う?

フィラーは注入した物質で即座にボリュームを補い、おおむね数か月から1年程度持続します。コラーゲン注射(PLLA・Sculptra)は自身の皮膚のコラーゲン生成を促して徐々に改善が現れ、改善は約2年程度まで報告されています。持続期間には個人差が大きいです。

コラーゲン注射で即座にボリュームが出ないのはなぜ?

コラーゲン注射はボリュームを補う物質ではなく、コラーゲン生成を「促す」方式のため、効果は徐々に現れます。

代表的なコラーゲン刺激成分であるPLLA(ポリ-L-乳酸、Sculptra)は、注入後に皮膚内の線維芽細胞を刺激し、体が自ら新しいコラーゲンをつくるよう促します。この過程には時間が必要なため、弾力やボリュームの変化は数週間から数か月にかけて徐々に現れるのが特徴です。

そのため、施術直後に大きな変化を期待するよりも、時間の経過とともに自然に改善していく過程を見守るのがコラーゲン注射の特徴です。


フィラーと違い、コラーゲン注射は溶かせないというのは本当ですか?

おおむねそのとおりです。ヒアルロン酸(HA)フィラーはヒアルロニダーゼという分解酵素で溶かして元に戻せますが、PLLAなどのコラーゲン刺激注射は、すでに誘導されたコラーゲン生成反応を直ちに元に戻すことは難しいです。

区分HAフィラーコラーゲン刺激注射(PLLA系)
作用物質で即座にボリューム自己コラーゲン生成を誘導
効果の発現時期即時数週間~数か月にかけて
元に戻す(溶解)分解酵素で調整可能直ちに元に戻すのは難しい

この違いから、コラーゲン注射は最初から用量と位置を慎重に計画することが重要です。なお、Heal Houseのジュブゼンは一般的なフィラーではなく、CO₂とHAを活用して自己コラーゲンを誘導する方式で、コラーゲン刺激系に近い分類です。

元に戻せるかどうかは施術選択の重要な考慮要素です。そのため、ご自身の肌の悩みや期待する変化、施術後の管理についての希望をもとに、専門医と十分に相談したうえで決めるのがよいです。


持続期間はコラーゲン注射とフィラーのどちらが長い?

HAフィラーは製品・部位によっておおむね数か月から1年程度持続する場合が多く、PLLA系は誘導されたコラーゲンが定着することで改善がより長く続くことが報告されています。

Sculptra(PLLA)の改善効果は、複数の臨床資料で一般に約2年程度と報告されていますが、これは個人のコラーゲン生成能力や施術部位、施術回数によって差があります。フィラーも使用部位(動きの多い口元か頬か)や製品によって持続期間が異なります。診療の現場でも、同じ製品・用量を使っても持続期間には個人差が大きいため、維持の目標と管理の間隔は相談を通じて個人に合わせて設定することをおすすめします。


自然な仕上がりを望むならどちらを選ぶべき?

「徐々に変化する自然さ」を望むならコラーゲン刺激注射が、「希望する部位を即座にはっきりと補う」方式を望むならフィラーが強みを持っています。

ただし自然さは施術の種類だけでなく、注入する量、注入位置、デザイン、施術者のアプローチによっても変わることがあります。フィラーも適切な用量をバランスよく使えば自然に仕上がることができ、コラーゲン注射も過度な施術では不自然になることがあります。


フィラーを繰り返してきたが、コラーゲン注射に切り替えてもよい?

可能な場合が多いです。フィラーを続けてきたなかで、自然な方向やより長い持続を望んでコラーゲン刺激注射に切り替える場合もあります。ただし、既存のフィラーの残存の有無と位置、現在の顔のボリューム分布をあわせて考慮し、計画を立てる必要があります。

既存のフィラーが残っている状態でボリュームをさらに誘導すると、望む以上に過剰になることがあるため、現在の顔のボリューム分布を評価したうえで、切り替えの時期と用量を調整するのが安全です。必要に応じて、既存のHAフィラーを調整してから進めることもあります。

切り替えは個人の施術歴と現在の状態によってアプローチが異なるため、既存の施術内容を正確にお伝えいただき、専門医と相談して決めるのがよいです。


References

Kim Sujeong

皮膚科専門医・水原院

美しさは健康な肌から始まるという信念のもと、患者さまの時間に寄り添ってまいります。