スキンブースター HILO WAVE® Sculptra

ヒアルロン酸フィラーは負担が大きい?HILO WAVE®は何が違う?

ヒアルロン酸を架橋してボリュームと輪郭をつくり1年以上持続するのがヒアルロン酸フィラー、架橋を抑えた製剤で皮膚の水分とキメを整え数か月以内に分解されるのがHILO WAVE®です。両者は施術の目的が異なります。

ヒアルロン酸フィラーは負担が大きい?HILO WAVE®は何が違う?

どちらもヒアルロン酸を用いますが、用途が異なります。ヒアルロン酸フィラーは、ヒアルロン酸を強く結合(架橋)させてジェル状にし、陥没した部位に入れて「形」をつくる施術です。一方HILO WAVE®は、架橋度を大幅に下げた高分子・低分子ヒアルロン酸を皮膚内に注入し、皮膚内の水分環境とキメ・弾力を整え、自然なボリュームを回復することを目標とします。

つまりヒアルロン酸フィラーは、架橋ヒアルロン酸で頬や額のようにボリュームが落ちた部位をふくらませたり、あご・鼻・唇のように顔の輪郭をつくる部位の形を整えたりするのが得意で、1年以上長く持続する特性があります。

HILO WAVE®は主に非架橋ヒアルロン酸で構成され、より自然なボリューム改善効果があり、高分子・低分子ヒアルロン酸が皮膚に水分を供給する効果や抗炎症作用、抗酸化作用があることが知られています。

「ヒアルロン酸フィラーは負担だ」という言葉の裏には、たいてい三つの心配が含まれています。目立つのではないか、時間が経って位置がずれるのではないか、気に入らなかったらどうしようという心配です。HILO WAVE®はそもそも輪郭をつくる施術ではないため、この三点でヒアルロン酸フィラーとは性格が異なります。落ちたボリュームを補って形を整えるのはヒアルロン酸フィラーの領域であり、HILO WAVE®がその役割を同じように埋めることは難しいです。どちらが必要かは皮膚の状態と悩みによって異なりますので、二つの施術を代替関係と捉えるより、目的の異なる選択肢として理解されるほうが正確です。


HILO WAVE®もヒアルロン酸フィラーのように目立ちますか?

ヒアルロン酸フィラーが目立って見える状況は、たいてい一か所にジェルが固まっていたり、必要以上に充填されていたりするときに生じます。架橋の強い製剤ほど組織内で形を保とうとする性質があり、量や層が合わないと異物感や腫れぼったい感じがしたり、表情をつくるときに不自然に見えたりすることがあります。

HILO WAVE®は架橋を最小限にした製剤を複数の点に少量ずつ真皮へ広げる方式のため、顔の輪郭が目に見えて変わるというより、微細なボリューム充填効果とともに皮膚がしっとりしてキメが整う方向に変化が現れる傾向があります。実際に、注射用ヒアルロン酸が顔の皮膚のうるおい、ハリ、キメ、ツヤといった「皮膚の質」の指標を改善したという臨床研究が報告されています。

言い換えれば、劇的な変化を期待されると物足りなく感じられることがありますが、自然な結果を望まれる方には最良の選択肢となり得ます。


HILO WAVE®もヒアルロン酸フィラーのように流れ落ちたり移動したりしますか?

ヒアルロン酸フィラーが最初に注入した位置を離れ、別の部位で見つかる移動(migration)現象は、実際に学術文献で報告されています。注入層と量、施術部位の動き、組織圧など複数の機序が関与すると説明され、数か月から数年後に遅れて確認される場合もあります。

HILO WAVE®は塊の形で固まるというより真皮内に広く広がり、時間とともに代謝される性質のため、ヒアルロン酸フィラーでいう「塊ごとの移動」とは様相が異なると説明されています。またHILO WAVE®は非架橋ヒアルロン酸の割合がはるかに高く、ヒアルロン酸フィラーのように体内で長くとどまらず、数か月以内に分解されてなくなります。ただし移動の可能性がまったくないと断言できるわけではなく、いずれにしても注入の深さと量をどれだけ正確に調整するかが重要です。


HILO WAVE®も気に入らなければ元に戻せますか?

ヒアルロン酸系はヒアルロニダーゼという分解酵素で溶かせる点が大きな利点の一つです。ヒアルロン酸フィラーは持続期間が長い分、形が気に入らない、あるいは固まり・結節ができたときにこの方法を検討することになります。

HILO WAVE®はアプローチが少し異なります。形をつくる施術ではないため、戻すべき「形」そのものができにくく、広く広がっているためヒアルロン酸フィラーのように特定の塊を狙って消すという概念とは異なります。代わりに架橋が少ない分、体内で比較的早く分解され、時間が経てば徐々に元の状態に戻る傾向があります。

元に戻す負担が少ない点は利点ですが、同じ理由で持続期間が短いということでもあります。この二つはコインの裏表として理解されるほうが正確です。


ではHILO WAVE®の欠点は何ですか?

最も明確な限界はボリュームです。深く刻まれたほうれい線や落ち込んだ額のように、確実な充填が必要な部位をHILO WAVE®だけで解決するのは難しく、ヒアルロン酸フィラーに比べて持続期間が短く感じられることがあります。

また、一度で終わる施術とは言い難いです。ヒアルロン酸の微細注入研究でも、1回の施術より複数回繰り返した群で皮膚のハリと密度の改善がより明確に現れたという報告があります。間隔をあけて複数回行ったうえで定期的に管理する計画が必要であり、正確な回数と間隔は皮膚の状態によって異なります。

即座に目に見える変化を望まれる方、施術計画を複数回に分けるのが難しい方には合わない場合があります。


HILO WAVE®の副作用や注意点は何ですか?

注射施術である以上、リスクがまったくないわけではありません。施術後に腫れや内出血がよく現れることがあり、たいてい数日以内に落ち着きますが、回復の速さには個人差があります。まれに感染、持続する炎症、色素変化が現れることがあります。

ヒアルロン酸製剤全般において、施術から数週間から数か月後に腫れ・結節・過敏反応が現れる遅発性合併症が報告されています。架橋の少ない製剤はこうしたリスクが相対的にかなり低いものの、「起こらない」とは言えません。また、ヒアルロン酸を注射する施術全般では、まれに注射液が血管に影響して生じる重篤な合併症も報告されています。


dermal fillerとHILO WAVE®のどちらを選ぶべきですか?

「どちらがより良いか」よりも、「自分の悩みが形態や顔の輪郭、ボリュームの問題なのか、肌質の問題なのか」をまず分けて考えていただくほうが役立ちます。鏡を見たときに特定の部位がへこんで影ができるならボリューム(充填)の問題であり、全体的にくすんで肌のきめが粗く見えるなら肌質の問題に近いといえます。

主な悩み解決の方向性
特定の部位がへこんで影ができるdermal filler、コラーゲン誘導注射(Sculptra、ベラなど)を検討
内側のつっぱり感・くすみ・きめの粗さHILO WAVE®などの水分ブースターを検討
再生・弾力の改善を優先リジュラン®などの再生ブースターを検討
両方が併存している層と時期を分けた複合プランを相談

実際の診療では両方が混ざっている場合が多く、どちらか一方だけでは整理できません。dermal fillerが負担だからという理由だけでHILO WAVE®を選ぶのではなく、ご自身の顔で何を優先すべきかを確認したうえで決めていただくことが、満足度を高めるのに役立つ場合があります。


References

Hanmi Jung

皮膚科専門医・江南院

一度施術して忘れられる医師ではなく、皮膚のすべてを安心して任せられる生涯の皮膚主治医になります。