しわ・輪郭 サーマクールソプラノチタニウム

マリオネットライン(口元のたるみ)はどう改善する?

マリオネットライン(口元のたるみ)は、骨・脂肪・筋肉・皮膚の老化が重なった結果であり、原因に合わせた複合的なアプローチが有効です。たるみにはリフティング、へこんだ段差にはボリューム補充、口角を下げる筋肉にはボツリヌス毒素(効果は一般的に3〜4か月)、固まった脂肪には少量の脂肪分解と、分けてアプローチします。

マリオネットラインはなぜできる?

マリオネットラインは一つの原因ではなく、骨・筋肉・脂肪・靭帯・皮膚の老化が幾重にも積み重なって生じます。加齢により顎骨(下顎骨)が徐々に吸収されて組織を支える土台が減り、頬の脂肪層は下へ移動して再配置され、口元の靭帯が組織を支えている点の周囲にたるんだ肉が集まることで、口角の横が膨らんで垂れて見えるようになります。さらに、口角を下げる筋肉(口角下制筋、DAO)の働きと皮膚の弾力低下が加わると、不機嫌そうな印象が定着します。

東洋人は顔の構造上の特性から、口元周辺のたるみが比較的目立ちやすい傾向があります。つまりマリオネットラインは単に「太ったから」できるのではなく、構造的な老化の結果であるため、どの層の問題が主導的かを診断することが改善の出発点です。


リフティングと脂肪分解、どちらが適切?

たるみが主な原因であればリフティング、口元に固まった脂肪が主な原因であれば脂肪分解が優先であり、これは診断で区別する必要があります。頬全体が下へ流れ落ちたタイプであれば、皮膚組織を引き締めるアプローチが優先です。超音波エネルギーを約4.5mmの筋膜(SMAS)層まで届けるウルセラピー・プライム、高周波(RF)で約1〜2mm深さの真皮コラーゲンのリモデリングを誘導するサーマクールFLXなどが、たるみの深さに応じて活用されます。

一方、口角の横に脂肪が局所的に固まって厚みを感じるタイプであれば、少量の脂肪分解が役立つ場合があります。脂肪分解の方法には大きく二つあり、脂肪分解注射を行うか、あるいは脂肪の量が多い場合には超音波で該当部位の脂肪を直接粉砕して除去するLSSA施術が用いられます。診療の現場では、マリオネットラインはたるみと局所脂肪が併存する場合が多く、口元は脂肪を過度に減らすとむしろへこみやたるみが強くなる可能性がある敏感な部位であるため、脂肪分解単独よりもリフティングとのバランスの中でアプローチするのが一般的です。


フィラーやSculptra、RADIESSE®で口元を満たすのは有効ですか?

はい、マリオネットラインの両脇のへこんだ部位を満たして段差を和らげると、垂れて見える印象が柔らかくなるのに役立ちます。マリオネットラインが目立つのは、膨らんだ部分そのものが原因の場合もありますが、その周辺(口元のしわの溝、顎の境界線のへこみ)との高低差による場合が多く、HA FillerあるいはSculptra、RADIESSE®でへこんだ溝を埋めて境界を滑らかにすると、影やしわの線が薄くなります。

ボリュームの喪失が広範囲に進んでいる場合には、即座にボリュームを作るHA Fillerのほか、自己コラーゲンの生成を誘導して徐々にボリュームと弾力を回復させるSculptraやRADIESSE®のようなアプローチが必要になることもあります。


ボツリヌス毒素は口角のたるみに有効ですか?

はい、口角を下げる口角下制筋(DAO)にボツリヌス毒素を少量注入すると、垂れた口角の印象を和らげるのに役立つ場合があります。この筋肉の引く力が弱まると、口角を上げる筋肉の働きが相対的に優位になり、無表情のときに口角がわずかに上がった柔らかな印象に見える効果が期待できます。

ただしボツリヌス毒素は筋肉の動きに作用する施術であるため、すでにたるんだ皮膚やボリュームのへこみ自体を元に戻すことはできず、効果は一般的に3〜4か月程度とされており、維持のためには繰り返しの施術が必要です。口周辺は発音・表情と直結する部位であるため、精密な筋肉の評価の後に少量で施術することが重要です。


複合施術が必要な場合は?

たるみ・へこみ・筋肉の働きが同時にみられる中等度以上のマリオネットラインであれば、一つの施術よりも複合的な設計が有効です。マリオネットラインは複数の層の老化が同時に進んだ結果であるため、各原因に合った施術を役割ごとに分けて組み合わせたときに改善幅が大きくなる傾向があります。

原因の層主な問題アプローチの方向性
筋膜・皮膚のたるみ頬の肉が口元へ流れ落ちるウルセラピー・プライム・サーマクールFLXなどのリフティング
ボリュームのへこみ口元の溝・境界の段差HA Filler・Sculptra・RADIESSE®などのボリューム補充
筋肉の働き口角を引き下げる力口角下制筋へのボツリヌス毒素
局所脂肪口角の横に固まったボリューム少量の脂肪分解注射あるいは脂肪除去施術

例えば、リフティングでたるみの土台を引き締めた後にフィラーで残った段差を整え、ボツリヌス毒素で口角の筋肉のバランスを取るといった順次のアプローチが代表的です。どの組み合わせと順序が適切かは顔全体の老化の様相によって異なるため、皮膚科専門医とのカウンセリングを通じて個人別の計画を立てることをお勧めします。


References

Hanmi Jung

皮膚科専門医・江南院

一度施術して忘れられる医師ではなく、皮膚のすべてを安心して任せられる生涯の皮膚主治医になります。