しわ・輪郭 HA FillerRADIESSE®

マリオネットライン(口元の縦じわ)にはどの施術が適しているか

マリオネットラインは、ボリュームの減少・たるみ・コラーゲン減少が重なった結果であるため、優勢な原因から順に対処する併用治療が適しています。たるみが大きい場合はウルセラピー・プライムやソプラノチタニウム、スレッドリフティングでまず整え、陥凹した部分はHA FillerやSculptra、ジュブゼンで補い、皮膚が薄くなっている場合はRADIESSE®やRe2O®のようなコラーゲン誘導注射で支えます。

マリオネットラインはなぜできるのでしょうか

マリオネットラインは口角からあごに向かって下がる縦じわで、頬の脂肪や皮膚が下に下がって口元で折れ込むこと、骨や脂肪などの減少により口元のボリュームが減ること、口元の皮膚の弾力が低下することが主な原因です。

さらに、口角周辺の靭帯構造が比較的強く固定されているため、たるんだ組織がこの境界線に引っかかって谷のように深くなるのが、マリオネットラインの典型的な形成過程です。表情の癖、急激な体重変化、紫外線への曝露も進行速度に影響を与える可能性があります。

つまりマリオネットラインは一つの原因ではなく、ボリュームの減少・組織のたるみ・皮膚自体のコラーゲン減少が重なって現れる複合的なしわであるため、どの要因が優勢かを診断することが施術選択の出発点となります。


マリオネットライン、たるみが原因ならリフティングが先ですか

はい、頬や深部組織のたるみが主な原因であれば、リフティングを先に検討するのが合理的です。たるんだ組織をある程度元の位置に戻したうえで、残った谷をdermal fillerやコラーゲン注射、ジュブゼンで補えば、少ない量でも自然な結果が期待できるためです。

非手術リフティングは大きく、熱エネルギーを伝える機器リフティングとスレッドリフティングに分かれます。

口元は下顎縁神経が通る部位であるため、ウルセラピー・プライムのようなHIFU Liftingは神経損傷を起こす可能性があり注意が必要ですが、そのような場合に効果的に使用できるのがソプラノチタニウムです。ソプラノチタニウムは複数の波長のレーザー光が皮膚の複数の層にエネルギーを伝え、神経損傷なく安全に口元のたるみを改善できます。

スレッドリフティングは、たるんだ皮膚を上に引き上げて組織を再配置する役割を果たします。口元の上の組織のたるみが強い場合には良い選択肢となり得ます。


dermal fillerやジュブゼンで補うのは効果的ですか

ボリュームの減少が主な原因のマリオネットラインには、dermal fillerが効果的な選択肢となり得ます。ヒアルロン酸フィラーは陥凹した部位を即座に補い、影や段差を和らげます。製剤や部位によって維持期間はおおむね6~12か月程度です。口元のように動きの多い部位には、支持力のある製剤を選ぶことが重要です。

ただし、たるみが強い場合にdermal fillerだけでしわをすべて埋めようとすると、口元が重く見えたり不自然になったりする可能性があります。dermal fillerは「段差を和らげる道具」であり、たるんだ組織そのものを引き上げる施術ではないため、たるみを伴う場合にはリフティングとの併用の可否もあわせて検討するのが望ましいです。

ジュブゼンは、狭く深く陥凹したマリオネットラインを埋めるのに効果的です。陥凹したボリュームやたるんだ組織を改善した後も残るマリオネットラインにジュブゼンで施術すると、少量のヒアルロン酸注入でもしわを効果的に改善できます。


コラーゲン注射も役立ちますか

コラーゲンの生成を誘導する注射製剤は、マリオネットライン部位の陥凹したボリュームを回復させ、皮膚の厚みと弾力を回復させるのに役立ちます。dermal fillerが即座のボリュームを作るのに対し、コラーゲン誘導製剤は時間をかけて自分の皮膚組織そのものを丈夫にする方向のアプローチです。

代表的なものとして、Sculptraは数か月かけて徐々にコラーゲン生成を刺激し、一般的に1.5~2年程度維持されることが知られており、CaHA成分のRADIESSE®は施術直後にボリュームが増す効果が見られ、1~2か月後から徐々にコラーゲンが再生成され、皮膚の弾力向上に役立ちます。Re2O®はヒト由来コラーゲン(hADM)成分で組織再生を助ける製剤であり、皮膚が薄くなり小じわが重なった口元に活用できます。効果の発現速度や維持期間は製剤や個人によって差があるため、診断に応じて選択します。


マリオネットラインを自然に改善するにはどう組み合わせるのか

最も自然な結果は、「リフティングでたるみを減らし、dermal filler・コラーゲン注射・ジュブゼンで残った谷を補う」段階的な組み合わせから得られます。カウンセリングで最も多い質問の一つが「どの施術が最も効果的ですか」ですが、一つの施術ですべてのしわをなくそうとするより、優勢な原因から順に対処するほうが、効果的で自然な結果を生む方法です。

優勢な原因優先するアプローチ活用例
組織のたるみリフティングを先にソプラノチタニウム、スレッドリフティング、ウルセラピー・プライム
ボリュームの減少・陥凹したしわ充填施術HA Filler、ジュブゼン
皮膚の菲薄化・コラーゲン減少コラーゲン誘導Sculptra、RADIESSE®、Re2O®

同じマリオネットラインでも、たるみとボリュームの減少の割合は人によって異なり、それに応じて適した組み合わせや順序も変わります。個人差の大きい部位であるため、皮膚科専門医とのカウンセリングを通じてご自身の原因の構成を確認したうえで、治療計画を立てることをお勧めします。


References

Hanmi Jung

皮膚科専門医・江南院

一度施術して忘れられる医師ではなく、皮膚のすべてを安心して任せられる生涯の皮膚主治医になります。